2013年12月22日日曜日

『Principia』如才のなさとは敵を作らずに自分を主張することである by ニュートン

Principia(iTunes 200円)
開発:Shin Hirota


アイザック・ニュートンは1642年のクリスマスにイングランドの東海岸に位置するリンカーンシャー州の小都市グランサムから南方に10kmほど離れた一寒村ウールスソープ=バイ=カールスターワースにおいて、同名のアイザック・ニュートンを父として、ハナ・アスキューを母として生まれたが、生まれた時父親はすでに他界していた。(Wikipediaより引用)

というわけで、力学で有名なニュートンさんの誕生日はクリスマスらしい。そうと知ったら、七面鳥なんてどうでもいいのでニュートンの誕生日を祝おう! 実験して推理して学習して、イカした論文をガンガン提出して目指せ科学王!! 今日紹介するのは中世ヨーロッパの科学者となって名声を高めることを目的としたシミュレーションゲーム『Principia(プリンキピア)』だ。


このゲームの最終目標は、イケてる論文をガンガン提出して名声値を高め組織の会長に就任することだ。名声値を高めるためにやらなければならないことは、ズバリ論文の提出。そのために【1.研究】を重ね、【2.検証】をして、【3.論文作成】して【4.論文提出】しないといけない。


【1.研究】は分野によって異なるが、基本的に「実験」と「推理」の2種類が用意されており、パラメータに応じて着想イベントが発生する。着想イベントは例えば、「光の速さって有限なのでは!?」「光の反射を利用した望遠鏡ってイカしてね!?」みたいに仮説を思いつく感じだ。

次に必要なのは【2.検証】だ。「光の速さは有限では?」みたいな理論の場合は「理論検証」を行うことで完成度を高めることになる。「反射を利用した望遠鏡ってイカしてね?」という発明の場合は「作成」コマンドから「試作品」を作る必要がある。着想によっては、図を作成する必要もある。

検証が充分に行われたら【3.論文作成】だ。実際の論文作成と違い、参考文献リスト用意したり考察に頭ひねったりする必要などなく、「作成」コマンドからサクッと作成できる。完成した論文は「手紙」コマンドから好きな組織に提出して【4.論文提出】まで完了。提出した組織に受理されれば、名声や研究資金を獲得できる。


他の科学者が提出した論文を「批判」することもできる。批判が成功すれば名声を獲得できるが、批判された側の友好度は下がってしまうぞ。逆に、他の科学者に「寄付」をすれば友好度は上がっていく。どうしても論文が受理されない場合は、審査している組織の中核にいる科学者の友好度に問題があるかもしれないので、そういうときは思い切って寄付するのも一興だ。つまり、癒着である。ちょっと抵抗あるかもしれないが、ニュートン先生も「如才のなさとは敵を作らずに自分を主張することである」と仰ってるぞ!


このアプリ、実は第4回アスキーエンタテインメントソフトウェアコンテストの準グランプリを受賞した『PRINCIPIA』というフリーゲームのiOS版である。フリーゲームを中心に攻略している「ゲーム攻略地帯」さんにも詳細な攻略があるので、気になるひとはそちらも見てみよう。

余談だが、筆者は文系ながら科学史や科学哲学は結構好きで、あくまで読み物レベルなら色々と読んでいた。大学時代に読んでいてなるほどなあと思ったのは、「相対性理論」「量子力学」「ベンジャミン・リベットのマインド・タイム」の3つだ。ミーハーなのだ。個人的に興味あった脳科学系の本で面白かったのは、ベタながらラマ・チャンドランオリバー・サックスあたりだろうか。科学史だったらトマス・クーンの『科学革命の構造』なんかも、本ゲームをより楽しむためにも面白いかもしれない。

なんで急にこんな話を書くかというと、なんとなくこのゲームを遊んでいると学生時代に覚えたような知的好奇心が呼びさまされるというか、科学系の本を再読したり新しく読んでみたいなという気持ちになるからだ。というわけで、年越しは蔵書を引っ張りだしてアカデミックに浸るのはどうだろう? 今まであまり興味がなかったひとも、意外とゲームを遊んでいると興味が出てくるかもしれないぞ。

アプリリンク:
Principia(iTunes 200円)

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