2014年1月20日月曜日

「激動のモバイルゲーム業界を生き抜く術」とある宣伝担当の感想

激動のモバイルゲーム業界を生き抜く術
日時:2014年1月20日 18:30-20:00
会場:渋谷ヒカリエ34階

せこせこ文章書いたりキャラクタの設定作ったりしているので会社でも十中八九ライターだと思われているフシがあるけど、実はこのブログの筆者、ゲーム会社の宣伝や広報を担当しているということをご存知だろうか? と、露骨に宣言することも大切だと感じている今日この頃。

というわけで、5Rocksとアドウェイズ主催のモバイルゲームセミナーに行ってみたので、あくまで個人的な感想レベルで思ったことを書いてみる。

tixee | 激動のモバイルゲーム業界を生き抜く術

誰がどんな話をしたのかということよりも、全体的にどういう趣旨の内容が話されて、それに関してどう筆者が思ったかということを徒然と書いていきたい。

・これからのスマートフォンゲーム業界どうなるの?

ざっくりとまとめると、今後ますますスマートフォンの普及が進むので市場規模が拡大するよ、という話だった。また、『パズドラ』をはじめメガヒットしたタイトルがユーザーの熟成に貢献できたので、大企業だけでなく中小企業でも戦い方によってビジネスチャンスあるのでは、という予測だった。

その中で話が出た、「面白いゲーム、ゲーマーに認められるゲームを作ることができれば、低予算ながら丁寧なパブリシティのみ(セミナーではゲリラ戦略とか言われてた記憶がある)でも集客が図れる」(意訳)というのは、最近考えていることに近かったりする。

英語で"Quality always trumps marketing strategy."と言ったりするけど、コンシューマゲームと比較しても見劣りしないゲームが増えるにつれ、スマートフォンゲームでも単純に「ゲームとしての面白さ」が重要視されるようになるのは自然だ。ソーシャルカードゲームのように「とりあえず大量に集客してDAUやARPUなどのKPIとにらめっこして運用」というやり方では、少しずつ市場にマッチしなくなってくるだろう。

もちろん、ゲームを知ってもらうために広告を投下するのは、アドネットワークやリワード、テレビCM含めて必要に応じてやるべきだし、広告は広告で手法として洗練されているし工夫のしがいもあると思う。

とはいえ、携帯のゲームが「ソーシャルゲーム」という括りで取り上げられ、一部のゲーマーに敬遠されてしまったのは少なからずあると思うので、リッチなスマートフォンゲームこそまず最初に「スマートフォンのゲームもこんなに面白いんだ!」とゲーマーに知ってもらうのが大事だなあ、と。

また、キーワードとして「ゲリラ」「メガ」「カテゴリドミナント」「海外展開」「ポートフォリオ」「コホート」という単語が出てきたけど、まあ、だいたいそんな感じだと思う。「コホート」は耳で聞いてもピンと来なかったので、オランダの芸術家の名前だと思ってしまったのはここだけの内緒だ。

・ゲームを継続してもらうにはどうすればいいの?

「集客」と同じか、あるいはそれ以上に重要になってくるのが「継続率」だろう。下記の記事によるとゲームに飽きるまでの期間は「1ヶ月」らしい。感覚的には、もっと短い、あるいは今後短くなってくるような気がしている。

スマートフォンゲームに飽きるまでの期間の1位は「1ヶ月」 ― スマートフォンゲームユーザー動向調査

「プッシュ通知を効果的に活用する」「離脱箇所を分析してUIを洗練していく」「ギルドなどゲーム内コミュニティを作成する」など、手段は色々あるけど、ケースバイケースだし難しいなあとぼんやり考えていた。面白いゲームタイトルが増えれば増えるほど、他のゲームに目移りもするだろうし、一人のゲーマーとしても可処分時間の使い方は悩ましく感じてしまう……。そう、面白いゲームが増えるにつれ、積みゲーも増えてしまうのだ。

セミナーの中でユーザーの行動分析に関する話があって、なかなか興味深かった。テスト用の簡易なアプリ(完全に『パズドラ』リスペクトだった)を触ってもらい、ユーザーが実際にどうやってプレイするか分析するという試みだ。

WEBサイトでは既にユーザー行動分析ツールがあるし、スマートフォンアプリでもユーザビリティテストを行うスタートアップはあるけど、少なくともスマートフォンゲームだとUI改善のためのテストは浸透していないのかなあ、とは感じた。WEBサイトと比較して画面遷移などが特殊で、テスターのゲーム慣れによってフィードバックが異なってきそうなど難しいのかな。

・結局、モバイルゲームマーケティングの未来はどっち?

みんなが納得する答えが持てないから、こういうセミナーはいっぱいあるんだなと改めて思う。仮説を立てて実際に試してみて、自ら率先してサイクルまわして検証していかないとわからない問題なんだから、共有できるレベルの情報を開示するのも大事だろう。

ただ、ゲームによってベストな戦略は変わるだろうし、会社の風土によってとれる戦略も変わってくると思うので、プロモーション担当、マーケティング担当一人ひとりが自分が責任を負うタイトルを熟知して、最適解を模索していく必要があるんだろうな。という、フワっとした感じで締めたい。

イベント詳細:
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